【コラボレーション】暮らしを続ける、未来を作るための、あたりまえ(アーバンリサーチ:宮啓明さん)
株式会社アーバンリサーチはアパレルを中心にライフスタイルを提案するだけでなく、「日本の地域はおもしろい」を掲げ、日本各地の魅力を届けることを軸に、各地のいいものを発信し、実際に地域の作り手たちと共創を行うJAPAN MADE PROJECTも手がけていらっしゃいます。今回のコラボレーションで生まれたのは、ラーメン専用のお箸「OTEMOTO for Ramen Lovers」。アパレルブランドとの異色のコラボレーションについて、この企画の発起人である株式会社アーバンリサーチ SDR(サステナビリティ推進) シニアチーフの宮啓明さんにお話をお聞きしました。
ヤマチクとの出会い
元々当社では、JAPAN MADE PROJECTという地域と連携する取り組みの中で、熊本の取り組みを立ち上げることになり、その当初からシマノタネの木下さんとヤマチクのデザインを担っているBRIDGE KUMAMOTOの佐藤かつあきさんにお世話になっていました。
そこで木下さんが当社の別スタッフにヤマチクをご紹介してくださったことがヤマチクを知ったきっかけです。
そのときにはこういったメーカー様がいらっしゃるんだという程度でしたが、その後当社のメディアの熊本特集にて佐藤かつあきさんがヤマチクのお箸についてすごく熱く語っていらっしゃって、僕もより一層興味が湧きました。
当時、僕も実際にヤマチクのお箸を使っていたんですが、使い心地や口当たりといったものが今まで使っていたお箸とは全然違うなとすごく感動しました。それ以来、食事のときはいつもヤマチクの箸を使っています。
「お箸を持ち運ぶ文化を作る。」OTEMOTO for Ramen Loversができるまで
ヤマチクとコラボレーションをしようと思ったのは、僕自身の原体験が大きいです。
ヤマチクのお箸を使ってご飯を食べたときの「いつもの食がお箸ひとつでこんなにも豊かになる」体験は、初めての衝撃をもたらしてくれました。それをもっと多くの人に知ってもらうために何かできることがないかなと考えていました。
元々「外でご飯を食べるとき、もっと美味しく食べられたらいいのに」という思いがずっとあって、外出先でもヤマチクのお箸でご飯が食べれないかなと考えていたんです。
そんな時、山崎さんと初めてお話していた際に、山崎さんがカバンの中からふとマイ箸を取り出して。僕自身、山崎さんから聞いたヤマチクのお話にとても感動しましたし、そのお箸を持ち歩く姿がすごくかっこいいなと思ったんですよね。
何をかっこいいとするかはファッションにも通じますが、色々な考え方があります。僕にとっては、自分自身のスタイルがあることがかっこいい、おしゃれだなと思います。「竹の、箸だけ。」というコンセプトを掲げ、信念を持ってそれを体現している山崎さんのブレないスタンスもすごくかっこいいなと。
しかもお箸を持ち歩く姿がかっこいいということが、僕の中ですごく新鮮で。ヤマチクとコラボレーションをするときに「持ち運ぶお箸」みたいなものができないかなと思いました。
コラボレーションに至ったもう一つの理由には、大量消費が当たり前の現代では割り箸一本でさえゴミになってしまうことがありました。僕自身がサステナビリティの部署に所属する中で、ゴミを減らすアクションにもつながる「お箸を持ち運ぶ文化」は、これからの時代に必要なかっこよさなのかなと感じたんです。
コラボレーションの過程で感じた、ヤマチクのお箸作りへの情熱
最初に当社の方から「持ち運ぶお箸」を提案して、1年ほどかけて企画コンセプトから練っていきました。
そのときに、山崎さんから「こういう色もできますよ」と、いろんなカラーリングの提案があって、見た目として可愛いものを持ち運ぶファッションアイテムとするのはどうかというような議論になったんです。
それもすごく素敵だなと思いつつも、お箸を持ち歩く文化を広げていくためには、まずは食にストイックな方々に響くようなプロダクトにするのはどうかという話になりました。そして、最終的に行列ができるほどの食べ物であるラーメンを愛する方々に届けたいなということで「OTEMOTO for Ramen Lovers」が生まれました。
このお箸を作る過程で、「おしゃれはおてもとから。」というメッセージや、シリコーンで箸ケースをつくることなど、ヤマチクからのアイデアも多くありました。ヤマチクは「竹の、箸だけ。」というまっすぐなコピーを掲げているだけあって、品質の高さに対してすごく誇りを持っているし、その素材と形状にもこだわりをもっています。商品開発の打ち合わせでも、ラーメン用にしようとなったとき、山崎さんからご提案いただいたサンプルや形状が、もうずばりで。
こういったものにはこういったものが合うということをご提案するために、日々色々と研究されているんだなとすごく感じましたね。
お箸を持ち歩く文化が生み出すもの
ラーメンのためのお箸と言いながら、 箸先がすごく細くて使いやすいので、僕自身も結局ラーメン以外にもいろんなものに使っています。なんとなく手に取るお箸がやっぱりそのお箸だったりしますね。
スタッフの中には、ちゃんと持ち運んで使っていると言ってくれる方や細くてつまみやすいので菜箸代わりに使っているスタッフもいて、それぞれのライフスタイルの中で、このお箸のいろんな用途を見つけて楽しんでくれているなと感じます。
当社のオンラインストアの口コミでも「箸先が細くて使いやすい」や「食べやすい」などポジティブなコメントをいただいております。
当社の事例では珍しいのですが、このコラボレーションをしてから会社全体でこの企画を盛り上げていこうという流れが生まれました。JAPAN MADE PROJECTとしても、なかなか当社のブランドを跨いで商品を販売する機会はあまりないのですが、それが叶った商品でもあります。
さらに今年には日清食品さんのラ王ともコラボレーションさせていただいて。当社のスタッフがスタイリングを提案するアプリで、いつもはみんながお洋服を着ていろんなスタイリングを紹介しているんですが、みんながラ王をOTEMOTOで食べているような写真がたくさん上がっていました。普段ないようなプロモーションにもつながった、当社としてもすごく面白い企画になったのかなと感じています。
例えばお弁当のお箸など、お箸を持ち歩くこと自体は、珍しいことではないと思うんです。ただ、その中で、より食べ物を美味しく食べるために持ち歩くことは少ない気がしています。
ご飯は人生の中で1日3食と考えても回数が限られている中で、1食1食をしっかり味わって、ありがたい気持ちでいただくためには、いい道具を使って食べることも必要なんじゃないかなと思うんですよね。
お箸を持ち歩く文化が広がってきたときに、新しい食体験が生まれて、日々当たり前にご飯が食べられることに対しての感謝やいろんな人の感動が生まれていくんじゃないかなと思っています。
人の営みから地域を見つめる。未来へ紡ぎたい「あたりまえ」
僕自身がこれからも未来へつないでいくために見つめ直したい当たり前は、今日本で続いている営みや文化、ものづくりです。
JAPAN MADE PROJECTは活動を始めて今年で10年になりました。僕自身も立ち上げから関わる中で変化がありました。最初は点で見ていた地域が、いろんな人と話をしたり僕自身でもいろんなものを見る中で、 その点と点がつながって、面になっていく瞬間を目にしてきましたし、地域というものがどのように作られているのか、またこれが続いていくためにはどうしたらいいのかについてもどんどん考えていくようになりました。
元々はURBAN RESEARCHやURBAN RESEARCH DOORSなど社内のそれぞれのブランドで地域に関わる取り組みをしていたんですが、昨年社内で一本化されて、全社の取り組みとして地域との活動を始めました。当社として、お洋服だけでなくライフスタイルを提案する中で、各地域のまちや人々がおもしろいことを発信しているのをサポートしたり、もっとおもしろくするために僕たちが協力できることをやっていこうと今活動しています。
それは、今の日本の当たり前を残していく活動にもなりますし、これから日々変化していく社会の中で、その地域が続いていくために、いわゆる未来の当たり前を作っていくための活動にもなるかなと思っています。
僕たちとしても、日本というところにしっかりと目線を置いて、これからも活動していきたいです。
アーバンリサーチさんが手がけるJAPAN MADE PROJECTはこちらからご覧いただけます。
公式WEB:https://media.urban-research.jp/feature/ur_japanmadeproject/
公式Instagram:https://www.instagram.com/japan_made_project/
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