AIが「作れる」時代に、人にしか作れない価値とは?
〜「今日からあなたもデザイナー〜AI時代のデザインワークショップ〜」レポート〜

アカデミー

こんにちは。
ヤマチクアカデミー、インターンの野田です。

生成AIの急激な進歩により、専門スキルを持たずとも数分でバナーやロゴ、チラシを自動生成できる時代が到来しました。しかし、誰でも「それっぽいもの」が作れるようになったからこそ、「プロのデザイナーや人間が創り出すデザインの価値とは何か?」という根本的な問いが生まれています。

今回は、2026年7月25日にヤマチクが開催したワークショップの様子を、運営に携わったインターンの視点からレポートします。

九州を代表するデザイナー・佐藤かつあき氏の講義を通じて、AI時代における「デザインの本質」と「人間性が持つ価値」を紐解いていきます。

開催概要

セミナー名: 今日からあなたもデザイナー 〜AI時代のデザインワークショップ〜
日時: 2026年7月25日(土) 13:30〜15:00
場所: ヤマチク第二工場 会議室(熊本県玉名郡南関町久重14)
登壇ゲスト: 佐藤 かつあき 氏(クリエイティブディレクター)
主催: 株式会社ヤマチク

登壇者プロフィール

佐藤 かつあき 氏(クリエイティブディレクター)
九州を拠点に幅広く活動するクリエイティブデザイナー。株式会社ヤマチクのブランディングやプロダクトデザインに長年伴走し、竹箸の可能性や地域の魅力をデザインの力で世界へ引き出し続けています。単なる見た目の装飾やロゴ・パッケージの制作にとどまらず、ブランドの背景にある文脈やストーリーをいかに可視化し、社会に定着させるかという本質的な視点から、数多くの企業や地域プロジェクトを成功に導いています。

会場の様子

熊本県南関町のヤマチク第二工場会議室には、熊本県内をはじめ九州各地から多様な業種・お立場の方々、総勢18名にお集まりいただきました。

ご参加いただいた方の属性は多岐にわたり、「ものづくり企業」の経営者・広報担当者様をはじめ、「クリエイティブ・デザイン関連企業」様、さらには市役所などの「行政・公共機関」、「地域団体」、フリーランスの事業者様まで、幅広い顔ぶれです。

開始前から各テーブルでノートパソコンが開かれ、「AIを実務でどう活かすべきか」「自社の魅力をどう発信していくか」といった課題意識を持った参加者同士の熱い交流がスタートしているのがとても印象的でした。

ワークショップ中は、参加者がAIを用いて作成したデザインに対して佐藤氏が直接フィードバックや意見を述べる場面や、主催である弊社代表の山﨑からの問いかけによって話が話がさらに大きく広がる場面もあり、非常に活気と笑顔があふれる学びの場となりました。

AI時代に求められる「視点」

講義を通して、私自身が特に学びが深いと感じた「3つの視点」をご紹介します。

1. AIを使いこなす

今回のワークショップの最大の目玉は、参加者全員がその場で生成AI(ChatGPT等)を使って実際のチラシ制作を体験することでした。 プロンプト(指示文)の与え方や文脈の作り方ひとつで、出力されるキャッチコピーや構成、ビジュアル表現が劇的に変わることを、皆さんが手を動かしながら体感されていました。 単に「AIは便利だ」と学ぶのではなく、提示した指示の精度がそのまま成果物に反映されるのを目の当たりにし、「AIは思考を代行する魔法の杖ではなく、明確な意図を持って使いこなすべき精巧な道具である」ということを、会場全体で共有できた時間でした。

2. 「販促のデザイン」と「付加価値のデザイン」

講義の中で特に深く心に刺さったのが、デザインを「目的と評価軸」によって2つに整理する佐藤氏のアプローチです。

販促のデザイン: 短期的な費用対効果や数字(クリック率・即効性のある集客など)で判断・最適化していくデザイン。
付加価値のデザイン: 長期的に企業のブランド資産となり、顧客との絆や信頼を育むデザイン。

AI時代においてはこの2つの軸を明確に意識して使い分けることが不可欠であると佐藤氏は説きました。「今作ろうとしているアウトプットは、目先の効率を追求するものなのか、それとも会社の資産として蓄積していくものなのか」。この判断軸を持つことこそが、AIツールに振り回されない現代のデザインリテラシーなのだと学びました。

3. AI時代、デザイナーの職はどう変化する?

AIの進化が進む中で、「デザイナーという職は今後どうなるのか」。この問いに対し、佐藤氏は次のように語りました。

「誰もが一定水準のアウトプットを作れるようになる以上、従来の意味での“デザイナー”という職能自体は、これから少なくなっていくでしょう。」

しかし、作業としてのデザインが自動化される一方で、こうも強調されました。

「同じような見た目のデザインが世の中に量産されるからこそ、人間性の価値は、相対的に上がっていきます。」

均一化されたデザインが溢れる時代だからこそ、「誰が、何のために、どんな想いで作ったのか」というストーリーや背景、情報の文脈(コンテクスト)を設計できるかどうかが決定的な差になります。情報の構造化やストーリーテリングを正しく組み上げることこそが、AIには代替できない人間独自の領域であるという力強いメッセージでした。

参加者の皆様がPCやスマホで作成したチラシを、フィードバック中

質疑応答や参加者の反応

Q1.結局のところ、画像生成やテキスト生成において、どのAIツールを使うのが一番良いのでしょうか?複数のAIモデルの使い分けについても知りたいです。

A1.現状は「これ一つに絞る」と決めつける必要はありません。主要なAIモデル(Claude、ChatGPT、Geminiなど)で一度同じプロンプトを入力して生成し、それぞれの出力結果の癖や得意分野を比較・検証するプロセス自体が重要です。まずは『試して比べる』というスタンスを持つことが、AIと上手に付き合う近道になります。

参加者アンケートよりご感想を抜粋します

「今日は素敵な機会をありがとうございました。最高の学びの時間になりました」
「うまく活用するとこんなにいいものが 、AI で作れるんだと勉強になりました」
「AI は使えるけれど、それを評価するのは人間だから、人間に嫌と思われてはいけないことを気付かされました」

ご参加ありがとうございました!

セミナーを通して感じたこと

普段から大学の課題や日常で当たり前のようにAIを使っている私たち学生にとって、「短時間で何かが作れること」はすでに前提となりつつあります。しかし今回のワークショップを通じ、「AIで作ったその先に、一体何が残るのか?」「自分だからこそ込められる想いや文脈とは何か?」という問いに向き合う重要性を痛感しました。

AIによって誰もが“作る技術”を持てるようになった時代だからこそ、作り手の思想や人間性、ストーリーという“人にしか出せない価値”がより一層際立ちます。

「販促」と「付加価値」という2つのデザイン視点を意識し、文脈を紡ぐ姿勢は、あらゆるビジネスパーソンにとって今すぐ実践できる学びです。

第一線で活躍するプロのデザイナーの思考プロセスと、参加者の皆さんが熱量を持って議論する姿を間近で体感できたことは、大学の授業や机上の勉強では絶対に得られない貴重な財産になりました。

次回開催のご案内
ローカル企業のPR戦略 完全版

ヤマチクアカデミーでは、地域企業の発展や学びの場づくりを目的としたセミナー・ワークショップを定期開催しています。

次回は9月12日地方から全国へ発信するPRの実践ノウハウや実際にプレスリリースを作成するワークショップも実施します。
広告とPRのちがいが説明できますか?もしできない方は参加をおすすめします。

日時: 2026年9月12日(土) 13:30〜15:00
会場: 株式会社ヤマチク 第二工場 2階会議室(熊本県玉名郡南関町久重14)
登壇ゲスト: 平尾 有希 氏(株式会社ふく成 取締役CEO / PR TIMES認定 Evangelist) × 山崎 彰悟 氏(株式会社ヤマチク 代表取締役CEO)
参加費: 一般 3,000円 / 学生 1,000円(※拝啓ワンドリンク券付き)
定員: 30名程度(先着順)

集客、販売促進、採用、社内のモチベーション向上を目指す経営者様や広報担当者様は、ぜひご参加ください。

お申し込みフォームはこちら(Google Forms)
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