【コラボレーション】あたりまえを支えるヒーローたちに感謝を(HENNGE:天野治夫さん、板垣慎介さん、田中美津紀さん、巴涼子さん)

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「テクノロジーの解放で、世の中を変えていく。」を掲げ、アクセス制御や情報漏洩対策、セキュリティ向上のクラウドサービスHENNGE Oneの開発・販売、導入後のサポートまで一貫して担っているHENNGE株式会社。お客様や投資家様にお渡しするためのノベルティとして、二度に渡り、ノベルティ作成をご依頼いただきました。今回は、取締役副社長の天野治夫さん、第一弾のお箸開発に携わったマーケティングセクションの板垣 慎介さん、田中美津紀さん、第二弾のお箸の担当者である巴涼子さんへのインタビューを、ヤマチクの山崎を交えた座談会形式の記事でお届けします。

ソフトウェアとお箸に共通する、本質的な「ものづくり」

天野さん:ヤマチクを知ったのは、2022年に開催されたカンファレンス・ICC(Industry Co-Creation ® サミットの略称 )です。その時の山崎さんのプレゼンで感動して、弊社のマーケティングのマネージャーにすぐ「なんだかスゴイお箸の会社がある!」と連絡しました。その後のファクトリーツアーで実際に工場や品物を見てやっぱりよかったよとメンバーに伝え、後に第一弾のノベルティを開発してくれた板垣さんや田中さんとの奇跡の連携が生まれてノベルティの制作に至りました。

前提として、私たちの会社は約2割が20か国以上の多様な国籍の仲間から構成されていて、みな日本が大好きで、実際に日本で生活しながら働いています。さらに、私がICCに通い始めた2019年に弊社は東京証券取引所に上場しました。海外の機関投資家から投資対象として見ていただいていたことから、そうした方々にノベルティとして渡せるものはないかと考えていたタイミングでした。

さまざまなバックグラウンドを持つ社員が集うHENNGE東京・渋谷オフィス

そんな中でヤマチクと出会い、ポータブルでありながら日本の良さや精神を伝えられ、加えて自社の名前やロゴも載せやすいお箸はノベルティにすごくいいんじゃないかと感じました。

私たちはソフトウェアの会社なので、目に見えないものを作ってお客様に提供していますが、長年手触りのあるものを作っている企業を訪れると、一見違うようで、ものづくりの本質は同じなんじゃないかと思います。

さらに、それを作って売ってる人たちに共通する価値観や精神性みたいなところが、すごく勉強になります。実際に作業工程を見たり、体験したりすることで自社に対しても良いフィードバックができるなと感じますね。

ヤマチクの作り手

山崎:嬉しいですね。実は僕自身も元々システムエンジニアなんですが、誰かが必要としてるからそのものを作っているという、ものづくりの事実、本質は変わらない。それが目に見えてわかりやすいかどうかだけの違いだなというのを今改めて感じました。

お箸は毎日使うもの。だからこそ、お箸のノベルティはこだわりを伝えやすいツールになると思います。

天野さん:そうですね。ノベルティとして洗練された日本らしいものをお渡しし、実際に使っていただくことで、HENNGEが大切にしている価値観まで伝わるのではないかという期待はすごくあります。

板垣さん:私は天野さんとは別に、ヤマチクのお箸がいいなと思ったプロセスがありまして。マーケティングチームでは、オフラインイベントに力を入れていますが、当時はイベント参加者にお土産として渡せるようなノベルティが欲しいと考えていました。

ノベルティ開発を進める中で、なんと私が自宅で愛用している箸が実はヤマチクのお箸だったと判明したんです。頂き物だったので最初は気づいていませんでしたが、知らず知らずのうちに自分も愛用していたからこそ間違いないと確信し、ヤマチクのお箸にしようと決めました。

UI/UXにこだわるHENNGEだからこそ生まれた第一弾のお箸

田中さん:第一弾のノベルティ制作では、デザインに悩みました。HENNGEのお箸であることをアピールしつつ、グローバルに誰でも使いやすい箸にするため、最初はロゴをモチーフにしていましたがHENNGEの箸としては少しインパクトが弱いかなと。

そこで、弊社のデザイナーに相談したところ「単純にロゴをひっくり返せばいいんじゃない? そうすれば左利きの人でも見やすくなるよ」と言われて。

普段から弊社のデザイナーチームが見た目の美しさだけでなく、UI/UXにすごくこだわっていることがノベルティの作成にも活きましたね。

ノベルティ第一弾のお箸

パッケージにかけるのし紙も吟味した結果、控えめな箸のデザインを取り入れることで、どんなものが入ってるんだろうというワクワク感を表現しました。この工夫は第一弾のお箸のデザインテーマです。

サイズにもこだわっていて、長く使っていただけるように、小さめの食洗機でも先端がつっかからないよう、通常サイズより1cm短い22cmにしました。社内のいろいろなメンバーにサンプルを握ってもらい、手の大きい男性社員でも使いやすいかなどいろんな角度から試行錯誤を重ねましたね。

板垣さん:一膳だとお渡しした本人しか使えませんが、二膳あるとご家族で使ってもらえるな、という考えからイベントのお土産には二膳をお渡ししました。直接お渡しする方だけではなく、ご家族に「いいものもらってきたね」と言っていただきたいなと。「実際に夫婦で使ってます」というフィードバックをいただけたときは嬉しかったです。

一発で調色が決まったコーポレートカラーのへんげ箸

巴さん:私は昨年10月にHENNGEに入社し、自社のノベルティを見た際にヤマチクのお箸がとても良くて、在庫が無くなったら追加で制作したいと思っていました。そのため、弊社のリブランディングのタイミングで、第二弾の「へんげ箸」として弊社製品のイメージカラー3色で制作することにしました。

調色もカラースケールをお渡ししたところ、送っていただいたサンプルの一発で理想的なお色に仕上げていただき、さすがの技術だなと感銘を受けました。

かすりのような透け感のあるロゴを載せたのし紙も1回で綺麗に仕上げていただきました。弊社のデザイナーにデザイン校正やサンプルを見せたところ、言うことなしということで即決でしたね。

第二弾のへんげ箸

山崎:コーポレートカラーのノベルティ作りって、 僕らは本当に緊張するんですよね。大事な背景を持ったカラーの再現を担うという責任感もあるし、ウェブ上のデータと違って、僕たちは塗料を目視で混ぜて再現しなきゃいけない。

素材の上から塗料を重ねて、さらに艶消しをするとまた色の発色が変わる。調色では、それを見越して逆算して色を決めていくので一発で決まった時は嬉しかったですね。

現場のメンバーが2、3回試しながら、どっちが近いですかねと僕のところにも来てくれて相談しながら微妙なニュアンスも調整してくれました。

お客様からインターンまで誰もが喜ぶノベルティとしての「お箸」

田中さん:第一弾のお箸は、イベント時の特別なノベルティとしてお渡ししましたが、「普段使っているよ」というお声をたくさんいただきます。お客様や投資家の方々だけでなく、日本のことが好きな弊社のグローバルのインターン生たちにも渡したいと他部署からも依頼がありました。

インターン生たちからは「仕事で良い体験ができただけじゃなく、日本文化にも触れられる素敵なプレゼントがもらえて嬉しい」というような反応をもらいました。お箸はプロダクトとして日本を感じられ、高級感もあることから好反応でしたね。

板垣さん:展示会では、名刺交換していただいた方にお箸をお渡ししました。「捨てられず、長く使っていただけるノベルティ」を作るのはなかなか難しいですが、お箸は使っていただきやすいからこそ、お渡しした後もHENNGEの名前を忘れないという効果が期待できます。

展示会でお渡しした際のお箸のディスプレー

巴さん:第二弾のお箸についても「HENNGEさんは毎回素敵なノベルティをくださるけど、やっぱりすごいな」というようなお声や「本当に使いやすい」「色が綺麗」といった反応をいただきました。

お客様にノベルティをお渡しするIRの部長には「またお箸作ってくださったんですね!」と喜んでもらえたり、社内でも好評です。実際に人気ですぐになくなってしまうので今日、また発注させていただきました。

お箸のように、クラウドサービスで「日常のあたりまえ」を守りたい

天野さん:弊社は「テクノロジーの解放」をビジョンに掲げていて、コンピューティングの技術を幅広く世界中にしっかり届けようと活動しています。そういった意味でも技術がきちんとたくさんの人に使われることを当たり前にしていきたいですね。

板垣さん:私たちは情報システム部門の人を「IT Admin」と英語で呼ぶんですが、HENNGE One製品では「IT Adminをヒーローに」という言葉を大切にしています。

情報システムが安全に運営されているということは実は当たり前じゃないよと、ちゃんとIT Adminがやるべきことやってるからしっかり会社が回ってるんだよということをいろいろな方法で伝えていきたいですね。

田中さん:衣食住の「食」を担う重要なツールであるお箸が良いものであることは、食体験を豊かにし、生活の安定につながる第一歩目のものだと思います。弊社はインシデントや攻撃を防ぎ、企業の日常を守るためのツールとしてセキュリティ関連の製品を販売しているので、クラウドサービスの観点から日常の当たり前を守っていきたいです。

巴さん:私が生まれた頃は、まだインターネットもありませんでしたが、現在では無料でメッセージのやりとりや電話もできる時代になりました。頑張って開発してきた方々の努力により、便利で当たり前に使えるツールが発展してきたことは非常に素晴らしいなと思います。

お箸は日本人にとって小さい頃から当たり前のように身近にあるものですよね。そんな身近にあるものを、満足いくものにすることで、ご飯がすごく美味しく感じられたり、食卓に彩りが添えられたりして幸せな気持ちになると思います。そういった、当たり前にある身近なものにも目を向けていきたいです。

対談時の様子

HENNGEさんでは一緒に働くメンバー「へんげ人」を募集しています。

対談を経て

山崎:お話を伺う中で、聞けば聞くほど、やっぱりハイテク分野であっても、僕らみたいなそのクラフト分野であっても、世の中にある当たり前は誰かの一生懸命で成り立っているなと強く感じます。

そういった今享受している当たり前を支える仕事がちゃんと次の世代のやりたい仕事になって続いていくためにも、ちゃんとありがとうを届けていきたいです。